今野緒雪/マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ

面白いように掌で踊らされているなあと再確認。ちょっとやる気になればサラサラとこんなのを書いてしまうのに、イタリア旅行とかもしてしまうわけで、なんかもう、VIVA プロ作家! 勝てねーw
ソフト百合ものからほのぼのに堕しつつあったマリみてワールドを一変させるような、きちんとオーソドックスに恋愛と自立と人生の根本を探りに行く三編。ここからオチを付けて、祥子様卒業でシリーズ終了なのか、二年生三人娘を成長させて、第二フェーズに移行する気なのか。どちらにしろ、今野さんなら、いいように道筋を付けて描ききってしまうだろうなあ、という安心感が他のイマドキの作品とは全然違うところだw
祐巳の、柏木君への反発心が痛いなぁ。瞳子の件での成長と、こういうところのちぐはぐさが、計算されたリアルになっていて、なんとも染みいる。落ち着く。
奈々はプチ江利子ですな。活発になった江利子黄薔薇紅薔薇も先祖帰りか。