ロボットへの興味

私はロボットをやってるわけではないのだけど。

ロボットと心や脳の研究の接点というと、おそらく普通の人たちは「人工知能」などとの関連を連想するのではないかと思う。またロボットの研究目的として「人間のことを知るためだ」という理由が挙げられることは確かにこれまで多かった。でも僕が言いたいのは、そういうことではないのだ。

一言で分かりやすく言えないのが不甲斐ないのだが、ロボット−−実世界から入力を受け、実時間で計算しながら、実世界に働きかけ、自分自身の運動の結果をまた入力として受け取るセンサーアクチュエーター・ネットワークシステムの研究は、新聞的なおきまり文句では語れない、深い、深いところで生物の持つ計算システムである脳のことを考える上で非常に面白い素材だ。

取りあえず単純な可能性として、ユビキタスな環境が実現したとしよう。人はいかなる場所にいてもコンピュータネットワークからのサービスを受けることができるようになる。だが、そのとき、もっとも恩恵を受けるのは、たぶん人間ではない。同じく情報システムであるロボットのほうが、ユビキタス環境から受ける恩恵は遙かに大きいはずだ。

from: 森山さんの日記[moriyama.com]


そうなんだよなー。直接人間のアナロジーとして考えない方が、かえって巨大情報システムの統合というテーマを通して、最終的に人間という巨大神経システムの統合との相関(類似/相違)が見えてきて面白いと思うんだよなー。
某先生のお題目は「人間を作ってみる」わけだけど、本当は「生物とは違う原理で機械生物を作ってみる」がいいんだろう。まあお題目は政治戦術らしいから、別に何でも構わないのだろうけど。
しかし、具体的に、その相関のどこが一番面白くて、そのためにどうすればいいかを説明することは、はったりとしても難しい。効率化とか精度とか適合率とか速度とか「おせっかい機能」とかに落とし込んだところで、元の魅力は無くなっている。たぶん、今の段階の想像で一番面白いのは、実は研究そのものより研究成果であって、統合の結果を肌で感じてみたいと思っているだけなのだ。モジュラリティありきの世の中で、それにお金を掛けるに値すると思う人は、どこにもいないだろう。製品デザインの一環であると言い切る以外にない。


まあ、そんなこととは別にメイドロボも欲しい。