はやぶさとL/Dのこと

今回、サンプルリターンを全世界で初めて試みた。宇宙開発は過去、マスコミの監視の中、びくびくしながら、確実性の高いプロジェクトを実行してきた。しかし宇宙開発には、リスクを取っても先に進むということも必要なのではないか。
高い塔を建ててそこへのぼってみれば新たな地平が見えるものだ。そのような塔を自ら建てるという意識を鼓舞したという点でははやぶさには意味があると考えている。
現状、NASAESAもサンプルリターンもおそらくプロポーザルを出せないだろう。少なくともはやぶさレベルまでは成功させなくてはならないから。
だからはやぶさ2があるとすれば、これは日本にしかできないだろう。是非ともやりたい。


「はやぶさリンク」:12月14日午前の記者会見: 松浦晋也のL/D

blogosphereは,情報の種類に対して二通りの構造を持つ.一つは,ある程度の幅を持つ話題に対して,幾つかの論客とその周辺という形にクラスタリングされた,比較的フラットな構造だ.もう一つは,非常に高い価値を持つエントリ(またはamazonの商品でも良いが…)と,それに対する世界の反応という,かなりピラミッド型に近い,従来のマスメディアに近い構造だ.前者では誰もが自分の意見を自分の認識で対等に述べることができるが,後者ではソースの情報が比較的忠実に伝わる傾向にあり,受け手がソースの価値を超えるエントリを作り出すことは大変難しい.
リンク先の会見で突然開陳された川口プロマネの(至極まっとうな)私見は,明らかにblog,それもL/Dという特定のblogを意識したものではなかろうか.これまで,このような私見は,仮に述べられることがあったにせよ,マスコミによって遮断されてきた.そして,それがblogや2chを通じて効果的に波及するように世の中が変わったかと言えば,決してそうではなく,むしろ面白半分に冷やかしたり,パロディになったり,重箱の隅をつつく厨房を生んだり,冷笑を持ってプライドを保つ小心者の踏み台になるのが常であった.
L/Dという「ソース」への信頼があるからこそ,もしくは,L/Dによってすでに構築されたピラミッドの堅固さがあったからこそ,川口プロマネ私見を述べてもそれが無碍に扱われない保証を得られたのではなかろうか.