影崎由那/かりん (1)-(3)

何となく気になって買ってみた。吸血鬼家族の娘と、人間の少年のラブコメ


すげぇぇ! あの影崎氏がちゃんとマンガ描けてる!


私の中では革命的事象だ。人間の未来に希望が持てる。びっくりだ。
この人の絵は、たとえ描き分けできなかろうが、顔の角度が限定されようが、萌え文化が花開く以前から存在した、かなり強固なスタイルを持った萌え絵であって、私はけっこう好きだった。んが、どうにも話やキャラの趣味が悪かった(趣味の悪さと特異なセンスを混同する、同人にはよくあるタイプだった)。それにまた、恥ずかしい話で照れてしまうとか、ストーリーテラーとしては致命的な欠陥を幾つか抱えていたと思う。好きだったんだけどねー、残念だなー。
と、思っていたら、どんな編集に鍛えられたんだか、普通にラブコメ描いてた。多少の繋がりの悪さやコマ割りの不自然さはいい。普通に移入できるキャラを置いて、普通に情報を小出しにして、普通に動機付けを連鎖させられてる時点で、圧倒的進化だ。しかも、吸血鬼側のストーリーと、少年側のストーリーを、パラレルに矛盾無く相互に関連させて進めている。すごい。普通だ。普通だよ。偉すぎる。
というわけで、まあ、変なところで感動してしまいました。
雨水ママ最強。