おとボク

宏方さんとこ。
そういう意味(優れたものということではなく、望まれているものということで)で、『理想の学園もの』なのであります。
分かり切ったネタで、予告した範疇からほとんど話の軸をブレさせず、雰囲気とオチはちゃんと用意して定価に見合う時間を埋める、というミッションに置いて、これ以上は相当難しい。すごい。ふつう成立しない。この物量でやってのけるのは、ほとんど神業だと思う。……ということで、クオリティ勝負(計数的に勝負が付くもの)としては最強。
ネタに幅がない点もさりながら、同じことを繰り返しやるとか、主人公がアクティブじゃないとか、ぶっちゃけ話そのものはつまんないとか、描写なんかしないぜ全部モノローグですますぜとか、そういうところも含めた純度が、新たな神話の領域です。素晴らしい。
完全にプロダクション視点ですが。


でもまあ、ぎりぎり読めると思うし、繋げるというより全体的なイメージで持って行く書き方は、自分にない物なんで、好きだったり。あとスーパー受け身な紫苑さまがかなり好き。SS書きたい。
夏の二話は本当にダメですねw あれは確かに辛い。
瑞穂はアクティブじゃないんですが、この話は、ヒキコモリがペルソナ被って閉じた世界で社会復帰する話なんで(それを学園ものに突っ込むところがコツであると)、基本的にはそれでいいんじゃないでしょうか。説得力がない(結局、世界を外から見ている; 内側にいるということは言葉でしか説明されない)のは別の話として。


うーん、最近「お話」が嫌いになってる節もあるかも。意外な展開になったり、読者にショックを与えようという意志が見えたりすると、とたんに冷めちゃう。異化や語りに対する期待と感動が極端に低い。字面よりも内容に着目する、という基本姿勢が悪い方向に働いている気がする。本を読んで「お話力」を回復しなければ。


ああ、これもぎっしゅか。うわー、全面的にぎっしゅが足りない(謎)