しなちく

やっと拝見いたしました。第一印象は、「……ど、毒が無」――――


あー、げふんげふん。失礼しました。仕切り直し。
何だかとっても素直なモノになっていて驚いた。こうあれかしと言うか。今井さんは10/12の日記で、

意訳、伺かは「システム」でしなちくは「アプリケーション」ということではないですかね。

と言われているが、10/14に公開されたSIPCに基づいて考えるに、私の個人的な印象ではシステム度、あるいはフレームワーク度は「伺か。」よりも遙かに上がっている。ただ実際にはフレームワーク自体をほとんど内包せず、フレームワークを意識した上で、その一部を切り出して規定し、その効果を実証するための最低限のバックボーンを用意した、という感じに見える。マスターサーバについての控えめなコメントからも、その辺の気持ちが伺えるように思う。
負け惜しみを言うならば、華和梨チームが大昔から呟いているDA(Desktop Agent)=OS論――つまり、DAは、既存のGUIに成り代わってあらゆるコンピュータ資源・アプリのインターフェースと成り得る、とする主張――の実体は、DA=UI論であり、該システムの最上位レイヤに立つのは「ただ台本を受け取って表示するだけのキャラクタ劇場」であった。つまりは「しなちく」である。「伺か。」は、下位レイヤが担当すべき機能を次々と飲み込んで肥大化してしまったため、加速度的に保守が困難になった(はずである)。これに対して、下位レイヤ機能をSSTP/SIPCを通してパージした「しなちく」は、遙かに安定したキャラクター描画モジュールになると思う。リソース周りの汎用化とバッチコマンド形式にも、コアを固める意志が感じられる。(とは言え、変数名の辺りはやっぱりスケールしなさそうな雰囲気なのだが……)
一方で演劇エンジンとしての性能を見てみると、既存システムである「伺か。」に比べて、アニメ、選択肢などが無く、格段に劣る(文法は遙かにマシだ)。この点は、様々な機能を盛り込みながら、結局台本再生遊びに傾いていってしまった「伺か。」に対する反省でもあろう。台本を否定するわけでもなかろうが、もっと機能との絡め方を考えていく必要がある。
総合しての第一印象は、ずばり正しいところに切り込んできたな、と。絵をきっちり揃えている辺りの政治力もさすが。何だか、まともすぎてつまらんという気さえする(笑)


一方、早坂さんは、こう言われる。

駄菓子菓子、「プログラムさえ組めばなんでも出来る」というのは自由度が高いと言うのかどうかけっこう微妙。(-_-;

ごもっともです。偽春菜ブームは政治的盛り上がりを背景とした「やれるもんならやってみろ」のノーガードの打ち合いから始まったわけで、それに比べると今回は、首を突っ込むための誘因は少し弱いかも知れない。
で、とりあえず考えられる展開は、プレーヤが誰かという点はさておき、以下のようなものと思われる。

  • 下位レイヤ機能(SIPC接続する外部モジュール:SIPCモジュール)を作りまくる。
    • 簡単(そして微妙に過去互換)なところでは、メールチェック、スケジューラ、時計合わせ、ヘッドライン取得、RSS取得、Web巡回、スレ監視、エラーダイアログ代替、BGM名読み上げ、歌詞読み上げ、Webページツッコミ、他ゴーストもといStand(用語はこれでいいのか? Shinatiku MODが描画エンジン?)への規格化された通信・および台本記述形式、Stand管理ツール、テクスチャ管理・配信サービスと絡んだテクスチャ自動インストール機構(「伺か。」で言うネットワーク更新とゴーストマネージャ)、既存「伺か。」ゴーストからさおりでアクセス
  • マスターサーバをいじる
    • SHIORIを組み込む(各SHIORI文法で書けるようにする)、マスターサーバのキャッシュを自前で持つSIPCモジュールを作る、それを各SHIORIで持てるようにする、HTTP以外のプロトコルに対応する(ってこれははみ出してるな)
  • 独自サーバを立てる
    • テクスチャ管理・配信(ガイシュツ)、ユーザグループ管理・IMサーバ、テクスチャ付属クライアントモジュールからの情報収集(鬼だ)・情報配信(何するんだろう)、
  • 規格を作る
    • SIPCモジュールにバンドルされるテクスチャ
      • 一つのゴーストがあらゆる機能に適応することは結構面倒だった。機能限定で出現するキャラクタがいてもいいだろう。
    • マウス座標を横取りして撫で判定
      • 撫でだけではなく、やはりイベントハンドラ的枠組みを定義することになるか。「しなちく」の良いところは、イベントループをSIPCモジュール側で回せるところであり、何か工夫が欲しい。


と言うところまで取りあえず考えた。寝る。あたしゃしばらく祭りには参加できません。